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SOLD OUT
20歳未満の飲酒は法律で禁止されています
生産者:ドメーヌ・オジル
産地:フランス、コート・デュ・ローヌ
ぶどう品種:グルナッシュ70%、シラー30%
タイプ : 赤
容量 : 750ml
ジェローム ジュレ、ジル アゾーニ、マゼルなど名だたる造り手達が活躍するアルデッシュ地区。もっともアルデッシュと一言で言ってもその範囲は広大で、彼らが活躍するのはアルデッシュの中でも南のエリアです。 この場所は、ワイン産地としては辺境の辺境です。テロワールというヒエラルキーではもっとも裾野に位置するとされた場所で、大手ネゴシアンや協同組合にブドウをkg単位で売るしか選択肢がなかったエリアでした。しかし、選択肢が無いと言うことは、失うものがないという意味でもあり、自らの信念に添って人生を賭けたワイン造りに取り組む生産者が一人、また一人と登場します。その先駆者はレザン エ ランジュのジル アゾーニ氏であり、ドメーヌ マゼルのジェラール ウストリック氏です。そして2006年に自然派ワイン造りをスタートさせたジェローム ジュレの登場によってこの地域は一気に活気を帯び始めました。
当初は、素朴で自然な味わいが魅力のワインを造っていたジェローム ジュレでしたが、その進化のスピードは脅威的で年を追うごとにその香り、味わいにはエレガントさをまとうようになり、ある種の色気を感じさせてくれるまでに成長します。そして今やフランスをはじめ世界中で大人気の造り手となりこの地域を代表する生産者となりました。
このジェローム ジュレの成功は、地域の若手生産者にとってのモデルケースとなります。もともと協同組合にブドウを売るなどしていた栽培農家の新しい世代の造り手たちが自然派ワイン造りに挑戦し、ジェローム ジュレやジル アゾーニなどがワイン造りの指導や販売先の紹介など地域コミュニティをあげてサポートをしていきます。その結果、アルデッシュ地区は自然派ワインの一大産地となり、ホットスポットとなったのです。
2013年にトマとジャン=ダニエルのオジル兄弟によってはじめられたドメーヌ オジルもこのアルデッシュの潮流の中で生まれた新しい自然派ワインの造り手です。彼の父親は、典型的なこの地域の栽培農家で、ブドウのみを栽培してそれを協同組合に売っていました。しかし近年は、協同組合の倒産や低価格な新世界ワインの台頭によるネゴシアンの販売不振などの影響もあり、栽培農家として生計を維持するのが年々厳しくなっています。そんな中、息子のトマ オジルは、近隣のジェローム ジュレやジル アゾーニの成功を見て、自分たちの代では自然派ワインを造るんだという意志を固めて行きます。トマはまずジェローム ジュレの下でワイン造りを学び、そして独立前にはジル アゾーニの下でも研修を重ねます。特にジル アゾーニの息子であり、現在は引退したジルの後を継いでワイン造りを手がけるアントワンヌ アゾーニとオジル兄弟は、同世代ということもあって親交が深く、切磋琢磨しながら先駆者達の経験と知識をしっかりと吸収して、初ヴィンテージからキラリと光る魅力の備えたワインを生み出しています。とは言え、協同組合などにブドウを販売するというスタイルは、いまだにこの地域の栽培農家の典型的な仕事の仕方であり、彼らのような自家瓶詰めで、しかも自然派ワインを手がけるのは異端中の異端です。その一端を垣間見たのは彼らのドメーヌを初めて訪ねた時でした。
彼らの醸造所がある村の近くまで辿り着いたものの例によって場所がわからず連絡すると、ミニバイクでさっそうと迎えに来てくれたのはトマ オジル。20代後半か30代になったばかりといった感じの若々しい風貌です。醸造所に着くと彼の父親も迎えてくれました…が、簡単な挨拶の言葉を交わしたものの、その後はじっと私たちを値踏みするように押し黙ったまま見つめるだけ。試飲を始めても、ずっとついてくるにも関わらず会話に参加するわけではありません。唯一の例外はタンクに入ったシラーを試飲した時の事、若干の還元的なニュアンスがあったのですが、「この臭いは何日後かに飲むと気にならなくなるよ」と突然フォロー。もちろん瓶詰め前のワインが還元的なニュアンスがあるのは私たちにとっては意外な事でもなかったのですが、息子を心配するあまりか思わず発した言葉が「還元香へのフォロー」でした。この瞬間に、様々な事がすっと理解できました。
彼らの父親としては、リスクある自家瓶詰めやましてや自然派ワイン造りに挑戦しようなどは荒唐無稽で無謀な話。ビオロジックで栽培し、自然酵母で発酵、厳密な清澄も濾過もしないで、亜硫酸も添加せずに瓶詰めというワイン造りは完全に理解を超越しています。自分の息子たちが近隣の変人にたぶらかされて変なワイン造りを始めてしまったと心配になっても不思議ではありません。そして、醸造所にワインを買い付けに訪問してくるのは怪しげな東洋人達(私たちの事です)。濁ったワインや還元したワインを試飲しながら、「これは良くなりそうだね。これはピュアな味わいがする。」などと話している訳ですから訝しがって当然です。そもそも自家瓶詰めをしなければ、訪問客が来ることもありません。息子たちの無謀(に映る)挑戦によって仕事を取り巻く環境が180度変わった訳です。
対してトマとジャン=ダニエルの兄弟は、とても自然体です。特に気負ったところもなく、当たり前のことを当たり前に積み重ねていくといったスタイル。初年度は自由にして良いと許可を得た2.5haほどの面積でビオロジック栽培に転換、自然酵母による発酵、瓶詰め時の亜硫酸無添加など、さすがはジェローム ジュレとジル アゾーニに鍛えられただけあって「リスクヘッジ」などのない直球の自然派ワインスタイルを貫きます。仕上がったワインは、派手さこそありませんが素朴さとピュアさ、なめらかな口当たりに余韻の美しさと、まさに南アルデッシュの自然派ワインスタイルでした。
まだまだ若く、可能性に満ちたオジル兄弟。彼らのワインが多くの人に認められるに伴って父親も態度を軟化させ、彼らに自由に任せる畑の面積を徐々に増やしていると言います。これからさらに経験を重ねて、畑も広がり、ワインもどんどんと成長・安定してくるはずです。南アルデッシュの新世代のスターの誕生を皆様と一緒に見守って行きたいと思います。
(輸入元資料より)
テイスティングコメント:
色は濁りのない、明るめのパープルレッド。イチゴやレッドチェリーの華やかな果実香に漢方や青草、ドライハーブなどの少し青さのある香りが混ざります。味わいはジューシーなイチゴなどの果実感に土っぽい味わいが混ざり、後には滑らかながら主張するタンニン、今年は少し重めのミディアムボディの印象です。亜硫酸無添加ですが2日目もネガティブな要素はなく、タンニンが落ち着き少しまろやかな味わいへと変化していきます。
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